月: 2011年4月

輪郭線

どっちかというと私の絵はリアル指向なので、萌えとは程遠く放っておくとどんどんフランドル絵画のようになってしまいます。油絵を描いていた頃も周囲とは明らかに浮いていて講師に「お前は岸田劉生かっ」などとツッコまれました。

そんな「糞リアリズム」(前述の講師談)にならないよう、また「萌エロい」ものを表現するにはやはりマンガ表現である輪郭線が欠かせません。しかしこの輪郭線というやつ、実に面倒です。その昔ペンでマンガやイラストを描いて同人誌をコミケに出していた頃もありましたが、いつもペン入れするのが面倒でした。最近はPCや製版技術やらが進歩して、鉛筆画をスキャンしたりオールデジタルで描けるのでいいですね。私もこんな時代に生まれたかったものです。とはいえ私もほぼオールデジタルでやっていますが。

ですがデジタルになってもやはりキャラの輪郭線に苦労しています。私は遠近感や柔らかさを表現するため、線の太さを場所によって微妙に太くしたり細くしたり、場合によっては消したりしてGペンに近い線の強弱をつけています。しかしGペンのように筆圧で調整せず、Photoshop の1~3pxのブラシでひたすら短く線をつなげては消しゴムではみ出した線を消すという地道な作業。というかペンで描いていたときも結局Gペンを使わず丸ペンでそうしていたような。SAIやコミックスタジオも試してみましたが、どうも私には自動補正や筆圧が使いこなせず、結局この描き方に落ち着いてしまいました。

他の絵師の描き方を参考にしてみたり、試行錯誤を繰り返して多少は進歩しているのですが、輪郭線の描き方だけはアナログ時代から変わらないのが何とももどかしいです。

あ、2枚目の絵でくわえているのはサラミです。念のため。


差分?

おわかりいただけただろうか?
左右の絵の違いについて・・・

証言:
「当初は同じ絵を違うシーンで使い回して差分にしようと思ってたんです。でも左右の向きを反転してみようって軽く考えてやってみたら・・・もう気づいたら手遅れになってたんです! あの時あんな気まぐれさえ起こさなければ・・・」

基本CGが16枚に増えました。ええ。自分で首を締めましたとも・・・


縛り

不器用に縛られた「結び目」を描こうとして訳が分からなくなり、近くにあったUSBケーブルで本とマッキーを縛ってみました。一瞬、机に飾ってある資料用の人形をひもで縛ってみようかと考えましたが、それはなんか悲しくなりそうになったので止めました…


差分

差分というのはこの手のエロゲというか紙芝居型ストーリーには欠かせない要素。同じシーンでポーズや表情など、カットのバリエーションを作って「お得感」を演出できます。ぶっちゃけ言うといわゆるCGの水増しですけど。

ただ今、差分表と照らし合わせながら差分CGの制作中。この差分表は以前にも紹介しましたが、シナリオを元にエクセルにまとめたもの。基本CGがほぼ完成したところで今回セルの色分けをして手付かずの部分を灰色にして見やすくしてみました。数えてみるとCG枚数ではやっと半分を過ぎたところ。まだ先が長いように見えますが、私的には頂上が見えている感じです。

しかし私の場合、単純に目鼻口の表情の描き替えだけの差分でなく、ちゃんと時間経過とかもわかるような描写もしたくなってしまいます。凝り始めるとそれこそキャラを新規に描き直しした差分を作りたくなってしまうので、品質を落とさずにどこまでそれをセーブできるかが、この作品を早く完成させられるかのカギになりそうです。

ともかく差分は描いていて楽しいですし、基本CGがある分ラクです。こないだは5時間で一気に2枚差分を描けました。でも飛ばしすぎたのか、そのあとちょっと体調が崩れました…もう4月ですか…がんばろ。