カテゴリー: 技術情報

材質感

3Dグラフィックをやっている人ならば「テクスチャ」という言葉を使う方が通りがいいと思いますが、「材質感」は絵をリアルに見せるために重要なポイントの一つです。


以前のエントリーにも書きましたが、H.H.Gを作成している当初から、髪の描写に悩んでいます。前作の乙牝の祈りの時の描き方はすごく非効率。私は髪を描くのがすごく苦手で、体のパーツで最も時間がかかります。何せ髪を描くだけで平気で1~2時間費してしまいます。


描き込み馬鹿

H.H.Gの発売が延期を重ねていますが、理由の一つに私が描き込み過ぎることがあります。今回は特に背景の描き込みに凝ってしまい、我ながら恐ろしい密度になっています。

人様の絵を批判できるほどの画力を持っているわけではないのですが、巷の作品を見ると写真を加工して合成したものや、明らかに違和感のあるものが多くあります。catwhiskerの目標は「自分たちが抜くために作る」。私の場合、画面に違和感を感じると萎えますが、リアルな背景や小道具で世界観が表現されていると燃えます。一流絵師によるそうした見事な描写を見るたびに、私もその領域に行きたいと思いつつ、日夜試行錯誤の毎日です。

さて、そんなグチばかり書いてもアレなので、今回もちょっとしたTIPSを。昔、3Dをやっている人に「テクスチャが描けるのがうらやましい」とほめられたことがありますが、Photoshopで壁などの材質感を表現するコツをちょっとだけ。


Photoshopシェイプツールによるパース

以前のエントリーにも書きましたが私のCGパースの描き方は非常にアナログ的というか、基本的にアカデミックな手法です。特に遠近法に至ってはいわゆる古典描法で、昔油絵で培った技術を応用しています。

16~17世紀の西洋絵画をX線撮影すると、背景に銀筆やチョークなどで描かれたパース線の跡が見えるそうです。板やキャンバスには消失点に針を刺した痕も残っているとのこと。でも私は昔イラストやマンガをアナログで描いていた頃はこの消失点が画面の外に出るとすごく面倒だったので適当に目見当にしてしまいました。

でも今はフォトショで描くとき、デジタルの技術が使えるので便利です。私が長年フォトショを使って編み出した技を今回はちょっと紹介します。


Windows7 64bit ProでPhotoshop7.01

以前にも書きましたが、本来Photoshopのアップグレードも兼ねて Windows 7 に移行するつもりだったのが、経済的な理由で現状 Photoshop 7.01 で H.H.G の制作を進めています。とりあえず64bitでも動いてはいますが、色々と気づいた点をレポート。

まずインストールについて。64bit未対応バージョンのPhotoshopだと、どうやら多くの方が一度は失敗するみたいです。でも二度目のインストールでは何故かうまくいったりします。私のマシンも初回はやはりインストールでつまづき、XP互換モードでインストールしてみました。一応これで動くのですが、起動の度にいちいちUACが警告を発してくるのが精神衛生上よろしくありません。一度アンインストールしてから再インストール。今度は普通にCDを入れてインストーラを起動したら普通に画面が進み普通に使えました。ちなみにインストール先が C:\Program Files(x86) でも無印でもどちらでも動きますし、XP互換モードにしなくてもOK。今のところ後述すること以外では特に不具合が見られず、キビキビ動いて以前より快適に使えるようになりました。

次に intuos4 との連携について。4は筆圧検知が従来の1024から2048段階になりましたが、それに対応できないソフトがあるためデフォルトでは1024に落としてあります。試しにこれをワコムタブレットのプロパティから2048段階に変更したら Photoshop 7.01 でもすんなりと筆圧を検知。ただしタブレットが改良されたがために使用感が激変。今まで私が使っていた inutos2 と比べると筆圧の変化するポイントが大幅に変わってしまっていました。最初はこの変化に戸惑いましたが、以前よりデリケートな塗りが筆圧で行えるようになったので慣れると快適です。

では肝心の不具合について。画像の解像度に関係なく、色調補正などのコントロールウィンドウを操作していると時々ウィンドウが消えてしまうことがあります。その際、他の操作が全くできなくなってしまいますが、一度Photoshopのタスクバーをクリックして最小化し、再度元に戻すと消えたウィンドウが現れます。どうやら小さな窓がメインウィンドウの下に隠れてしまうようです。恐らくデスクトップウィンドウマネージャ(DWM)が古いウィンドウ管理を使うソフトだと誤動作するのでしょう。Aeroなどを切ってクラシック画面などにすれば解決しそうですが、せっかく7にしたのに味気ないウィンドウにするのはシャクなのでそのまま使い続けています。

あとはサムネイル表示の問題。CS2以降 Adobe は Adobe Bridge を使わせるためにPSDファイルでエクスプローラなどでのプレビューやアイコン表示をさせないようにしたようですが、Photoshop 7 以前だとアイコン表示やプレビューが利用できました。これがWindows 7のエクスプローラでは全くダメ。アイコンも真っ白な四角表示になってしまい、ファイルの区別がつかなくて結構不便です。海外のシェアウェアで表示させられるものがあるようですが7.01で動くかどうか不明ですし、レジストリをいじったりなど色々試してみて疲れてしまったので今回は保留に。

Illustrator 9.02 についても試してみましたが、こちらはインストールができても起動で落っこちてしまいます。一応色々(ヒント:PCDLIB32.DLL)試してみたところ起動はさせられるようになりましたがXP互換モードでないと動かせない模様。そんなに使用頻度の高いソフトではないので、近い将来CS5を買うまでの間はUACのポコポコ開く窓は我慢して使うしかないでしょう。

とはいえ Proffesional にしたのだから、いざとなったら仮想XP上で動かせばいい話。ただ仮想デスクトップで重いソフトを動かすのもなんだかこれもシャクなので無理やり動かしているわけです。なお、以上は私のマシンでの結果ですので、すべての環境で同様に動くとは限りませんのであしからず。