以前のエントリーにも書きましたが私のCGパースの描き方は非常にアナログ的というか、基本的にアカデミックな手法です。特に遠近法に至ってはいわゆる古典描法で、昔油絵で培った技術を応用しています。
16~17世紀の西洋絵画をX線撮影すると、背景に銀筆やチョークなどで描かれたパース線の跡が見えるそうです。板やキャンバスには消失点に針を刺した痕も残っているとのこと。でも私は昔イラストやマンガをアナログで描いていた頃はこの消失点が画面の外に出るとすごく面倒だったので適当に目見当にしてしまいました。
でも今はフォトショで描くとき、デジタルの技術が使えるので便利です。私が長年フォトショを使って編み出した技を今回はちょっと紹介します。
具体的に言うと「ガイドにスナップ」という機能を使います。ビューで「定規」を表示させると上辺左辺に定規が表示されますので、ここからマウスでドラッグするとガイドを追加できます。「ガイドをロック」のチェックを外し、移動ツールを使えばガイドを自由に移動できます。目見当で描いた下書きのパースや、写真資料から消失点に交わるX軸とY軸のガイドを引きます。
移動ツールでガイドを選択すればキーボードの矢印キーで微調整もできます。またあらかじめ下書きの線のパース上にシェイプツールのラインツールを使ってアタリをつけると消失点が見つけやすくなります。なお、この段階では「ガイドにスナップ」のチェックを外しておかないと、勝手にキリのいいところに線が吸着してしまいますので、キーボードショートカットでCtrl+:(コロン)を押して解除します。
消失点が導き出せたら、今度は「ガイドにスナップ」のチェック(キーボードショートカットでCtrl+:)し、導き出した消失点の上にスナップ(吸着)させながらひたすらシェイプツールのラインツールでパース線を引きます。線の色は赤や青など、画面上の色と混じり合わないような見やすい色にしておくといいでしょう。微調整は「パス選択ツール」(白い矢印)を使うと便利です。ただし先端のパスのポイントが2つありますので、両方の点上をドラッグで選択か、Shiftキーを押しながら2点選択する必要があるので注意します。
こうすれば複雑なパース線も正確に引けますが、ご覧の通り消失点は縮小表示しないと見えないところにあるし、線がいっぱいで恐ろしい有様。結局、3Dソフトや別のツールを使わない限り、ラクな方法はないようです。