カテゴリー: 制作日誌

破壊と再生

最近、Windows 7 を使い始めてから四苦八苦してばかりです。使い慣れたインターフェイスを大幅に変更することは古いXPユーザーに対し混乱を招くばかりで何の利益もない気がします。こないだも従来使えたものが使えなくなったことがわかり、開発者に軽く殺意を覚えたことがありました。私がOSに求めているのはソフトウェアとハードウェアを単純に橋渡しするだけのオペレーションシステムであってこんなものではない、と。

しかし新しいものを作り出すということは、古い常識を打ち破ることも必要なことです。時にはバッサリと旧式のものを切り捨てていかねばなりません。時としてそれが既存のユーザーにとって混乱を招くものであっても、今までなし得なかった技術を実現するためには止む得ない変更なのかもしれません。

以前も Macintosh のOSが9からXに移行されたとき、私はこんな華美なものは要らないと感じていました。とはいえ既に旧来の技術を継承しつづけるだけのOS9では、肥大化する機能拡張やリソースを食うソフトウェアに圧迫されて限界になっていたことを私も体感していました。OS Xになってからは安定性が抜群に高くなり、見た目以上の技術革新を感じましたので、今ではあの爆弾マーク連発のOS9に戻ろうなどとは思いもしません。そのうち Windows 7 もそう感じるようになるのでしょう。たぶん。

Tongと私も将来、旧来のエロゲの常識を打ち破ろうと新技術の導入や挑戦を繰り返し、完成度の高いものを目指しています。ただしそれがユーザーの求めていることなのかどうか。それで果たしてエロくなるのかどうか、常に疑問がつきまといます。たとえそれが技術的に素晴らしいものであったとしても、抜けなければただの糞ゲーです。ですが他にないものを作り、自分たちの考える理想を形にすればきっとそれを受け入れてくれるユーザーがいることを信じて作っています。

ちょっと前にもアイドルマスター2の内容が公開されましたが、大幅な仕様変更が物議を醸しているようです。既存ユーザーだけでは行き詰るゲーム市場で新たなユーザーを開拓するための仕様変更と理解できますが、一部(多数?)のファンがNOを突きつけているのを見ると、果たしてそれが正しい選択であったのか。発売になれば自ずと答えが出ますので、部外者の私は注目しつつも静かに見守りたいと思います。


背景

ここまで描いて誰得なのだろうと自分でも思います…

すごく…面倒です…


The Requiem Of Legacy Support

11月に突入してしまって大幅に制作が遅れていることに気づき愕然…

当初の計画ではもうとっくにH.H.Gを発売して、その売り上げを足しにして環境を一新するはずだったのに、なぜかマシンだけ新しくなって制作環境作りに四苦八苦しているという状態。アナログ絵描きならば道具を買い換えるだけで済む話が、PC絵描きは道具が揃っただけではどうにもならないものなのですね。はうあう。

私はPhotoshopのバージョン4から使っていますが、5から6に変わったときは何もかも投げ出したくなるような気持ちになりました。ショートカットの割り当てを変えるとか、信じられないことをAdobeは平気でやります。一度手癖になったものを修正するのは本当に骨が折れます。OSもWindowsXPから7になったわけですが、ちょっと設定を変えるのにどこをいじったらいいのかわからず四苦八苦。何でソフトウェアの会社というのはこんなに画面を変えたがるんでしょうか。バグフィクスだけでは商業的にアピールしにくいのはわかりますが、既存のユーザーを混乱させるのはカンベンしてつかーさい。

それはそうと、予定では今頃CS5を導入するはずだったのですが、経済的な理由でしばらくPhotoshop7でやることに。7だとintuos4のタッチホイールがデフォルトだと使いにくいのでカスタマイズしてみました。オートスクロール/ズームを使うと84.1%とか115%とか変な倍率に変わってジャギーが出るので、これをキーストーロークに変更して Ctrl+Num(+) / Ctrl+Num(-) を割り当て。これだと 25 / 33.3 / 50 / 66.7 /100 / 200%と倍率を整数倍に変化させられて、画面がジャギっぽくなくなります。他の機能はスキップして機能は2つに絞ったらなかなかいい感じ。

あとはAltキーや手の平キー押しとか慣れるとなかなかいい感じに描けるかなぁと思いつつ、違うボタンを押してイライラ…うー、絵が進まないっ。これもどれも旧技術にしがみついていた私が悪いのでしょうか?


intuos4

堪えきれず、買ってしまいました>intuos4 Large

ワコムから最新のドライバを引っ張ってきて、買ったばかりの Windows 7 pro 64bit 機に突っ込んだのですが、まるでタブレットが言うことを聞かない。古いドライバを持ってきたり、Windows7 のタブレット機能を切ったりもしたのだが、今度は Photoshop の筆圧検知をしない、消しゴム使えないなど、まったくどうにもこうにも。

結局、アンインストールしてCDのドライバを入れ直して再起動したらスコンと動きましたとさ。ああ、こんな機械どもに煩わされずに私はただ絵を描きたいだけなのに…とりあえず、10分ぐらい筆圧検知のテストで落書き。うーん、慣れの問題もあるだろうけど、以前の intuos2 の方が描きやすかったかなぁ…

やっと動くようになったな、と思って安心したら今度は無線マウスの動きが変になってきた…もー、なんだか、もーっ!


浦島太郎

前回のTongのエントリーにあるように、先日Tongとアキバで共に一夜を過ごしてきました。私は別にアキバじゃなくてもと思うのですが、どうもTongの方が行きたいようで、ビジネスホテルの屋上露天風呂に一緒に浸かったりしてきました。最近PCトラブルで疲れたカラダにはいいリフレッシュになったかも。

Tongとリアルに会ったのは半年ぶりですが、ほぼ毎日テレワークと称した雑談チャットをしているので、久しぶりな感動もなかったりします。「横文字でわざわざ『シームレス』って使ったりする人いるけど『継ぎ目がない』でいいんじゃない?」とか何とか、あんまりゲーム開発と関係ない話も多かった気もしますが、対面コミュニケーションはやはり重要。夜中の4時までコッペリウスのプログラム構造について議論を重ね、特にフレームワークの部分での成果と課題がわかったことで、今後の見通しが立ったような気がします。あくまでも「気」だけですが。

一夜明けて一緒にアキバを散策していたのですが、この街はしばらく目を離すとやたら様変わりしますね。古くから残っているところもあるので何とか迷わずに済みますが、店が入れ替わってるだけでなく、建物自体がなくなったり建て替えられていたりでびっくりです。

先日HDDがクラッシュして新しいPCを買ったのですが、もうすっかり世代交代しているんですね。アキバを見て回ったらウチで現役のシリアルポート (D-Sub 9pin) だのパラレルポート (D-Sub 25pin) はとっくに絶滅品種でジャンク扱い。私も思わず無線キーボードとか Bluetooth とかに手を出してしまいました。物欲の街おそるべし。

で、荷物抱えてウキウキで帰宅し、開梱したら以前のDAW環境や古いデバイスが新しいPCで動かせなくてぐったり。結局古いPCに絶滅品種のIDE HDDつないで再生したりしていたのですが、これがまったく上手い具合に動かない。筐体を何度も開けたりバラしたりして一気に疲れて老け込んだ気分です。ああ、これってまるで浦島太郎の玉手箱。私はこんな箱に煩わされずに、ただ普通に絵が描きたいだけなのに…

そんなわけでH.H.Gの進行が滞っております。ううむ…